山口和士先生、講演会 <PTA講演会編>

 5月18日(木)、山口和士先生(日本進路指導推進協議会会長、関東学院大学特任教授)がお越し下さり、PTA総会に出席された保護者、そして教員に、ご講演をして頂きました。9年間緘黙に苦しみ劣等生と言われた学生時代、日本初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士との出会いが人生を変えたこと。そして37年間、生徒とその保護者と向き合ってこられた経験を、惜しみなく語ってくださいました。大人が子どもたちより少しだけ早く生まれた人間としての使命は、生きる姿勢を背中で見せ、子どもを愛し、信じて命と社会のバトンをつないでいくことだと再認識させて頂いた一時間でした。山口和士先生、本当に有り難うございました。

山口先生による『親として子供を成長させる10の条件~子の巣立ちを助けるために~』

  • 必ず子どもと将来を語り合う時間を持ちましょう。常に時間を作ることは難しくとも、その姿勢を面と向かって示すことは大切です。
  • 自分の体験を子どもに押しつけてはなりません。親こそ様々な進路情報、学校情報を学びましょう。子どもが何に関心を持っているのかに、誠実に向き合ってやりましょう。
  • 経済的な負担の問題を、大上段に構えて投げつけてはいけません。毎日働く親の姿は、子どもにとって尊敬すべきものとして映っています。「おまえのためなら、一生懸命支えてあげるよ」と言ってあげてください。奨学金、アルバイトなど子ども自身にも得る手段はあります。
  • 兄弟姉妹との比較は御法度です。
  • 家族円満が一番。子どもの主張に耳を貸さず、保護者が自己主張を通すのは、不安定な危うい家庭を暗示します。
  • 子どもの将来を学校任せにしないでください。保護者が進路情報に目を向けていなければ、子どもが語りかけてきても、応えられません。「自分の事は自分で」という言葉で逃げてはいけません。
  • 友人(異性)関係をうまく使いましょう。「その友人(彼氏・彼女)に恥ずかしくない人間になるために、今この時こそあなたが力を付けなさい」と言うだけで、子どもは不思議に前を向くのです。
  • 受検書類は一緒に見てやり、宿や大学の下見を共にすることは親の特権です。でも本番は子ども一人で行かせることです。親が子離れできて初めて、子どもは自立を目指します。
  • 手作りのお弁当を持たせてください。保護者としてできる最も大切なことは、同じ空間を「食事」という形で共有し、いつでも子どもを大切に思っているという「メッセージ」を静かに伝えてあげることです。
  • 学校での催し、保護者会、学年会には必ず出席しましょう。子どものために共有する時間が多ければ多いほど、道は広がります。