〇;令和3年度 第1学期始業式 式辞

 皆さん、おはようございます。新しい年度が始まり、胸がわくわくしているでしょうか。 コロナ禍における2回目の春を迎えました。未だに終息の兆しは見えませんが、今年もしっかり対策をして乗り切っていきましょう。
 本校は今年度で創立17年目を迎えました。年度の初めに、今日は本校の建学の精神であるアントレプレナーシップについて考えてもらいたいと思います。アントレプレナーシップとは起業家精神です。起業家精神と言ってもただ会社を起こすということではなく、よりよい社会を目指して、自分の頭で考え、自ら工夫し、行動し、果敢にチャレンジする姿勢のことです。人生のあらゆる面において、この姿勢は大変意義のあることだと思います。
 3年生の皆さんはいよいよ「未来創造科」の最後の卒業生となります。3年間希望の坂を登り、ここ倉敷鷲羽高校で自分の未来が見えてきたでしょうか。
 本年度はその未来が現実のものとして迫ってきます。皆さんを取り巻く状況は様々ですが、何事も自分で調べて自分で考え、今何をするべきかを理解し、行動してほしいと思います。そして、進学にしろ就職にしろ、自分の未来に向けてしっかり準備をしてチャレンジしてください。それこそがアントレプレナーシップです。もちろん困った時は先生や友達、そして家族や周囲の人に相談してください。人に話すことによって本当に自分がやりたいことが明確になってくるものです。
 2年生の皆さんは「普通科」「ビジネス科」の最初の学年です。普通科の「得意を生かして大学進学を目指す!」ビジネス科の「地域のビジネスリーダーを目指す!」という大きな目標に向けて、今年何ができるか、何がやりたいのか自分に問いかけてください。学科は改編されましたが、倉敷鷲羽高校の建学の精神は変わりません。希望の坂を上って未来を創造していくのは今までの卒業生と同じです。自分のそして社会の未来を作り出してください。
 最近、自分で考え、今できる最大の努力をし、未来をつかみ取った人がいます。誰のことかわかりますか。水泳の池江璃花子選手です。東京オリンピックの最強の代表候補と言われていましたが、病気になり、代表は絶望的になりました。病気の治療は思っていたより数十倍、数百倍、数千倍しんどい、でも負けたくないと言っていました。そのような苦しい約10か月の入院生活を経て、リハビリをし、徐々に体力を回復させていきました。そして、406日ぶりにプールに入ったとき、言葉に表せないくらい、うれしくて、気持ちよくて、幸せだったそうです。それから少しずつトレーニングをして記録を伸ばしていきました。速く泳げるようになりたい、強くなりたいという不屈の精神と並々ならぬ努力で、オリンピック代表という未来をつかみました。
  さて皆さんはどうでしょう。自分の未来にぜひやりたいことがありますか。些細なことでも構いません。それを今から心の中でそっとつぶやいてみてください。それからそれに向けて今年頑張りたいことを一つ、また心の中で叫んでください。自分の心の声が聞こえましたか。言葉には言霊が宿ります。言葉に出すことによってその思いが少しずつ現実味を帯びて、自分が夢見た未来へ導いてくれます。皆さんの先にはどんな坂が待っているかわかりませんが、アントレプレナーシップ、起業家精神を胸に力強く上って行ってください。そして夢見た未来をつかんでください。

令和3年4月8日