○令和5年度 第3学期始業式 式辞

“Now or Never!”

令和6年1月9日

 皆さん、おはようございます。いよいよ冬休みも終わり、今日から3学期が始まります。今年は正月早々元日に能登半島で大地震があり、大きな被害が出ています。亡くなられた方、行方不明の方も多数おられます。家族や親せきが集まって一年で一番楽しく過ごせる日にこのような災害が襲ってくるとはあまりにもむごく言葉もありません。そしてその次の日には羽田空港で本来あり得ない飛行機の衝突事故がありました。能登の被災地に物資を届けようとしたその任務の最中に亡くなられた方々はさぞかし無念であったことでしょう。ご家族や関係者のことを思うと胸が痛みます。皆さんとともに亡くなられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。
 このような想定外の災害や事故はいつ起こるかわかりません。いくら訓練していてもその通りにはいかない場合があります。その時重要なのが落ち着いて自らその状況で最善の策をとる判断力と行動力だと思います。この飛行機事故の際、旅客機の中では乗客と乗員で379人の人がいました。緊急避難をどうするか、飛行機後方にいたキャビンアテンダントいわゆるCAは機長と連絡を取ろうとしましたが、機器が壊れて繋がらなかったそうです。その人は自分の判断で非常口を開けて乗客の脱出を始めました。自分の命の危険が迫る中、落ち着いて訓練したことを行動に移せたということは素晴らしいことだと思います。いくら備えや訓練をしてもそれを上回る想定外のことが起きる可能性はありますが、日ごろからの備えや訓練、点検や確認がいかに重要であるかを改めて思い知らされました。
 さて、2学期の終業式では伝統文化とポップカルチャーの話をしました。皆さんはこの冬休みに何か心がわくわくするようなものに出会ったでしょうか。私はこの冬「ハリーポッター」の映画を久しぶりに見ました。魔法学校の生徒であるハリーポッターが様々な体験をしながら成長する物語で、ハリーポッターはいろんな危機に遭遇しそれを乗り越えていきます。そんなハリーポッターのセリフで私がとても好きなのは “Now or Never!” というものです。“Now or Never!” これは「チャンスは今、これを逃せば二度とない!」というものです。もちろん、ハリーポッターが冒険に向かう前に言うセリフですが、私たちの日常生活の中でも“Now or Never!”ということがよくあります。大変そうだけど自分がしたいこと、する価値のあること、それができそうなチャンスが来た時に大変そうだからとしり込みするか、大変そうだけどやっても見ようとチャレンジするかは自分次第です。皆さんは自分がやりたいこと、やった方がいいと思うことができていますか。皆さんの高校時代は時間が限られています。若い時に多くの時間をかけて勉強したり、部活動したりできるのは今しかありません。苦しかったり面倒だったりしても一生懸命勉強することで、資格が取れたり、自分の志望する進路に繋がったりします。また 毎日好きなスポーツや文化活動を好きなだけできるのも本当に今しかありません。まさに“Now or Never!”です。また、校外でのボランティア活動や発表会・コンクール参加など、新しいことに挑戦してみないかと声をかけられることもあるでしょう。今までとは違う外の世界に視野が広がるチャンスです。これも“Now or Never!”です。私も新しい年を迎え、“Now or Never!”を今年の抱負として様々なことに挑戦していきたいと思います。皆さんもアンテナと志を高くして、様々なことに興味を持って挑戦し、自分の栄養や力にしてください。その皆さん一人一人の取組が鷲羽高校を作っています。「You Make 鷲羽!」です。皆さんの残された高校生がさらに充実してわくわくする素晴らしいものになることを願っています。