〇令和3年度 第3学期終業式 式辞

 みなさん、こんにちは。いよいよ本年度も今日で終わりとなりました。1年間を振り返っていかがですか。コロナ禍で様々な制約がありましたが楽しく充実した学校生活を送れたでしょうか。3学期の始業式に、ちょっと頑張って少し高いところに届くと、すなわち少し成長すると違った景色も見えるようになるという話をしました。みなさん、いかがでしょうか。1年前と比べて少し高いところから違った景色を見えるようになりましたか。今世の中に目を向けてみると戦争によってとても悲惨なことが起こっています。そのような社会の状況にも絶えずアンテナをはり、何が正しくて何が重要なのか自分なりに考える習慣を付けてもらいたいたいと思います。
 その考える手段として言葉や知識は重要です。今日は私の専門教科である英語の2つの言葉についてお話したいと思います。まず、Makeです。そう、You Make Washu!のmakeです。今更と思うかもしれません。このmakeは基本的には「作る」という意味ですが、他にもいろんな意味があります。「~を作る」以外に「~のチームなどの一員になる」という意味があります。だからYou Make Washu!には「あなたが鷲羽高校を作る」という意味と「あなたは鷲羽高校の一員である」という意味があります。2学期の終業式のスライドショーでお知らせしたように、また本校のホームページに最近アップされた動画で紹介しているように「みなさんの活動の全てが本校を作っている」というのはもちろんですが、華々しい成果がなくても「あなた方一人一人が鷲羽高校の大切な一員である、その自覚と誇りを持って日々を過ごして欲しい」という意味も込めています。このことを覚えておいてください。
 ではもう一つの言葉に移ります。この人は誰だか知っていますか。2011年に亡くなっていますからみなさんは知らないかもしれませんが、この人が創り出したものに今では世界中の人がすっかりお世話になっています。それはスマートフォンです。iPhoneを創り出したアメリカのアップル社の創始者のスティーブジョブズです。この人が2005年にある大学で行ったスピーチでこう言っています。Connecting the dotsです。Connectは「~をつなぐ、接続する」という意味です。dotsはメルアドに使うドット、ドットコムのドットの複数形で、すなわち「点」という意味です。だからこの文は「その点と点をつなげること」という意味です。スティーブジョブズはスピーチの中で「自分が生まれてすぐに養子に出されたこと、大学を中退したこと、自分が作ったアップル社をくびになったことなど、その一つ一つは大変な出来事だけど、その後iPhoneやiPadを創り出し販売し成功したことに全てつながって役立っている」と言っています。そして「その時々は将来のために点と点をつなげる意識などなかったけど、今振り返ると、将来役立つことをしっかり学んでいた。将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎ合わせることなどできない。できるのは後からつなぎ合わせることだけだ。だから、我々は今やっていることがいずれ、人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。」と言っています。
 今年の3年生が卒業前に次のように言いました。「鷲羽高校にきてよかったことはいろんな新しいことにチャレンジできる機会があったことだ。勇気を出して挑戦し、失敗しても次の年も挑戦し続けることができた。今の自分の進路が実現したのも挑戦できる様々な機会があったおかげだ。」と言って卒業しました。みなさんが今何に取り組もうともそれは点をたくさん作っているのだと思います。先ほど言ったようにそれが将来つながって自分の夢、または今は思いもよらない何かを達成するのにきっと役立つと思います。それを信じて今目の前にあることに前向きにチャレンジしてもらいたいと思います。「目の前のチャンスに果敢にチャレンジする。失敗してもくじけない。周囲への感謝の気持ちを忘れない。」これこそ、先輩たちが引き継いできた鷲羽高校の建学の精神で、これからはみなさんに引き継いで行ってもらいたいと思います。合言葉は「夢 行く 鷲羽 You make Washu!」です。それでは4月の始業式の日にまた元気にお会いしましょう。

令和4年3月18日